●尿排出障害
尿が上手く出せなくなる「尿排出障害」は中高年男性のよくある
尿トラブルですが、実は女性にも少なくありません。
尿を出し切れないために頻尿や尿漏れが起こることもあります。
尿排出障害って
排尿機能は尿をためる働きと尿を出す働きがあります。
そのうちの尿を出す働きに問題があるのが、尿排出障害です。
「尿勢低下(尿の勢いがない)」「排尿遅延(尿が出るまでに時間がかかる)」
「腹圧排尿(排尿の為お腹に力を入れる)」「と言った症状が現れ、
尿が出なくなる場合もあります。
女性の場合は、尿の出口がふさがる「下部尿路閉塞」と
膀胱が尿を出す力弱くなる「排尿筋の収縮力低下」のどちらかか
両方が関わっていますが、その最大の原因は加齢によるものとされています。
私たちの膀胱は、加齢に伴って尿をためるときは、伸びが悪くなり、
尿を出すときは押し出す力が弱くなります。
これは女性も男性も同じです。
膀胱に溜った尿が上手く出し切れずに残っているために、またすぐトイレに
いきたくなったり、尿漏れが起きやすくなっていることがあります。
膀胱に残った尿を「残尿」と言いますが、この残尿が多くなると、
腎臓機能を低下させたり、尿路感染が起こりやすくなったりすることがあるので
注意が必要です。
意外と多い原因は、薬の副作用があり風邪薬、抗うつ薬、睡眠薬を始め
大変多いので、尿が出にくくなった時は、飲んでる薬のチェックも大切です。
尿が出にくい人は残尿を調べることが大切です。
排尿困難があることが明らかになれば、「尿流動態検査」や「排尿時の尿道膀胱造影」
や「鎖膀胱造影」などの検査を行ったりするようです。
治療
①下部尿路閉塞の治療
薬物療法としては「α1遮断薬」が使われます。
これは尿道をを広げて尿を出しやすくするお薬です。
2~3日入院して狭窄が強い部分を切開して広げる手術を行う場合もありまするようです。
②排尿筋収縮力の低下の治療
膀胱の収縮力が著しく低下している場合は、排尿時に自分で膀胱に残った尿を
排出させる「自己導入」を行います。
③生活の工夫
軽い排尿困難なら、排尿するとき前かがみの姿勢をとると、
尿が出やすくなります。
膀胱が収縮して尿が出始めた時腹圧を掛けるのがコツです。
こんなケース
Mさんは(55歳)子宮がんの手術後、尿が出にくくなりました。
排尿昨日を失入たくないと、最初は一生懸命いきんで排尿していました。
排尿は多くないのに強い腹圧をかけても尿はチョロチョロしか出ず、時間を
掛けて押し出している状態でした。
これを続けていると膀胱は疲れ、骨盤底まで痛めかねません。
泌尿器科で、自己導入を勧められ、初めは抵抗がありましたが、
いざ始めてみると、排尿の為に長時間トイレにこもる必要はなくなって
外出もしやすくなりました。
活動範囲も広がり、使い捨てのカテーテルを持って旅行にも行ったそうです。
膀胱も回復して自力で尿がでるようになり始め、導入回数を
徐々に減らしています。