●尿漏れ(尿失禁)
排尿の意志がないのに、トイレ以外の場所で尿が出てしまうことを言います。女性に多く
日本では40歳以上の女性の4割以上が尿漏れ経験者と言う報告があります。
・腹圧性尿失禁→女性の尿漏れで最も多いタイプでお腹に力が入ると尿が漏れる。
「咳やくしゃみをした時に尿が漏れたのが最初」と言う人が多いようです。
その他「重いものを持ったり、スポーツをした時に尿が漏れた」と言うのが
代表的です。ひどくなって「階段を下りる」「歩く」などで尿漏れが起きるようになると
パッドなしでは外出できないという人が多くなります。
腹圧性尿失禁の治療の基本は骨盤底筋体操です、
軽症の場合はこれだけで改善します。
・切迫性尿失禁→急に尿意を覚え、トイレに行くまでに我慢出来ず、トイレん駆けこんでも
間に合わずに漏れてしまうというタイプで、過活動膀胱に伴って起こります。
通常は尿意を感じてもしばらくは我慢できますが、過活動膀胱があると、
意志に関わらず膀胱が勝手に収縮すために、尿を排出してしまうのです。
「帰宅して玄関の鍵を開けようとした時」
「トイレのノブに手を掛けた時」
「トイレで下着を下ろそうとして時」
など”あともう少し”というタイミングや
「手を洗おうと水に触れた」「炊事や洗濯などの水仕事をした」
「冷蔵庫を開けた」など寒冷刺激が引き金になって尿漏れが起きることが
多いのが特徴です。
腹圧性尿失禁と切迫性尿失禁の両方を持つ混合性尿失禁も少なくありません。
・溢流性尿失禁→(いつりゅうせい)→トイレにいきたいとは思ってないのに、
絶えずチョロチョロと漏れてしまます。
尿が上手く出ない尿排出障害があるために、膀胱に残った尿が溢れて
漏れ出してしまうのです。
このタイプの尿漏れが起きる人は、普段から排尿に勢いがなく
お腹に力を入れないと尿が出なかったりします。
前立腺肥大でよく起きる尿漏れですが、女性ではそれほど多くなく
子宮がん等の術後や、糖尿病による神経障害がある人、脊柱管狭窄症などで
足のしびれや歩行困難のある人等では神経因性膀胱による排出障害で、
このタイプの尿漏れが起きることがあります。
溢流性尿失禁があると、尿が絶えず漏れているために、陰部の皮膚がただれたり
膀胱炎や腎盂腎炎等の尿路感染を起こしやすくなります。
・機能性尿失禁→尿路に異常がある訳ではないのに、トイレへ行く等の生活行動が
不自由なため尿が漏れてしまうタイプです。
ポータブルトイレや失禁用品を活用する工夫が必要です。