●膀胱炎
①細菌性膀胱炎
急に何度もトイレに行くようになった。すぐ行きたくなる。
排尿しているときや出終わった時に尿道あたりがズーンと痛む。
排尿してもスッキリせず尿が残ったる感じがして気持ち悪い。
こんな症状思い当たりませんか?
膀胱炎は女性に多い病気で膀胱の粘膜に炎症がおこる病気で、
殆どは細菌感染が原因で起こります。
女性は身体の構造上尿道の出口と肛門が近い為肛門周辺にいる
最近が尿道から侵入しやすく、又尿道が短い為、侵入した細菌が膀胱に
達しやすいのです。
原因は80%以上が腸内に住んでる大腸菌です。
そのほかの細菌や、性感染症の原因になるクラジミアによって起こる
膀胱炎もあります。
細菌感染によって起きる膀胱炎は治りやすい病気ですが、
再発も多いので正しい対策を行うことが大切です。
症状
1.頻尿
トイレが近くなり、しょっちゅうトイレに行きたくなります。
2.排尿時の痛み
膀胱の炎症の為、尿の出はじめや特に出終わりに、
差し込むような痛みや鈍痛が起きます。
3.残尿感
排尿後もスッキリせず、尿が出し切れてない感じがします。
4.尿意切迫感
突然尿意を催し我慢できなくなります。
5.尿の濁り
健康な時は黄色味を帯びた透明ですが、白っぽく濁った尿が出ることがあります。
尿に白血球が混じったためで、軽度の場合は尿検査をしないと分かりません。
6.血尿
炎症がひどくなると、血液の混じった尿が出ることもあります。
治療
①抗菌薬
②水分を多くとる
③安静と休養
膀胱炎再発
膀胱炎にかかった方は症状が無くなると治ったと思いがちですが、
膀胱内に細菌が残っていると、再発しかねません。
処方された抗菌薬は必ずすべての切ることです。
膀胱炎がなかなか治らない、すぐ再発するから「慢性膀胱炎」だと思ってしまいがちですが、
殆どの場合「急性膀胱炎」の繰り返しです。
完全に治るまできちんと治療をきちんと行うこと、新たな感染を起こさないために
日常生活で感染を起こしやすくする要因を減らすことが大切です。
・排便後は前から後ろに拭く。
・セックスの前にはシャワーを浴びるなどをして陰部を清潔にし、
後には早めに排尿を心掛ける。
・便秘にならないようにする。
・生理用品はこまめに交換する。
・下腹部を冷やさないようにする。
・過労にならないようにする。
1年に何度も繰り返す方に→何度も繰り返すので「慢性膀胱炎」と思いがちですが
「慢性膀胱炎」は特定の病気などがある人に起こるもので、
急性膀胱炎を繰り返すと慢性になると言うことはありません。
再発は再感染と考えられ、大抵の場合細菌感染を起こしやす生活習慣があるようです。
カレンダーに月経、セックス、便秘、など記録し膀胱炎が起こる前になにがあったかを
見ることを勧めます。原因が何かを把握しやすくなります。
又症状が治まっても膀胱内の細菌や白血球が無くなるまでは完全に治癒したことにはなりません。
細菌が残っていれば再燃する可能性があります。
最後まできちんとお薬は飲みましょう。
②慢性膀胱炎
上記に書きましたように慢性膀胱炎は急性膀胱炎を繰り返すと
慢性になると言うものではありません。
症状は似ていますが、異物や薬放射線治療によって起こることがあります。
慢性膀胱炎は男性が多く、膀胱結石や尿道に長期間置かれたカテーテルなどの
異物が原因でよく起こります。
膀胱やに尿道に異物があると、細菌が住み着き
膀胱炎が慢性化しやすくなります。
放射線治療の副作用として起きることがあり、
子宮がん等の放射線治療の際に、放射線が膀胱に当たり
起こります。
治療
それぞれの原因により治療法が異なってきます。
放射線治療場合は圧力を利用して、体内に酸素を大量に送り込み
傷つけられた組織の回復を促します。
膀胱結石の治療と共に残尿治療も行います。
カテーテルが原因の時は抗菌薬で治療します。
③間質性膀胱炎
同じ膀胱炎ですが、細菌感染とは異なります。
細菌性膀胱炎と似た症状があるため、従来は抗菌薬が使われることが
少なくありませんでした。
抗菌薬では治らず、尿検査でも異常がない為心因性と思われたりすることもありました。
患者さんの膀胱では、粘膜の下の間質に慢性的な炎症があって、そのために膀胱の
知覚が亢進して過敏になり、頻尿や痛みが起こります。
進行すると膀胱が委縮していきます。
症状
1.昼夜関わらず、トイレにしょっちゅう行きたくなる。
2.尿が溜ってくると下腹部が痛くなってトイレに行くが、少ししか出ない。
3.排尿すると、下腹部の痛みや不快感が少し軽くなる。
4.抗菌薬を飲んでも症状が良くならない。
治療
※医療機関での治療
現在間質性膀胱炎そのものの治療薬はないようです。
対処療法として「抗うつ薬」「抗アレルギー薬」「漢方薬」「非ステロイド消炎鎮痛薬」
等が用いられます。
医療機関では「膀胱水圧拡張術」で膀胱の萎縮の拡張をします。
※家庭で行う行動療法
1.膀胱訓練
トイレを少し我慢することで膀胱を十分に拡張させます。
2.食事療法
頻尿や膀胱痛を悪化させるような食べ物を避けることが基本です。
代表的なものは、
かんきつ類・トマト・アルコール飲料・酢・香辛料
何が症状を悪化させるかは人によって違うので、食事日誌をつけて見ると
自分が食べて良いもの・悪いものの見極めに役立ちます。
頻尿を気にして水分摂取を減らしすぎると、尿が濃くなって膀胱にしみるため、
却って痛みが出ることもあるので注意しましょう。